全般性不安障害
全般性不安障害
全般性不安障害は、毎日の生活の中で漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続ける病気です。決まった環境や周囲の状況でもなくいつでも不安が続くことがこの疾患の特徴です。そういった不安から身体症状、精神症状などが出現するのがこの病気の特徴です。
症状にはいろいろなものがありますが、それらの症状が出現する際には「自分か身内で、すぐにでも病気になるのではないか」「事故に遭うのではないか」など不安が一定程度継続し、生活に支障がでることもあります。
下記のような症状が数週間、数か月連続してほとんど毎日継続します。
ただ心配しているだけなら良いのですが、尽きることない不安と心配のために徐々に身体症状や精神症状が現れるようになり、不安が悪循環していきます。全般性不安障害の患者様が抱える不安は、持続的で程度も過剰であり、本人が思うようにコントロールできません。自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、そわそわと落ち着かず、些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、物事に集中することができません。そして、症状が進むと、睡眠や毎日の生活にも障害をきたし、日常生活をこなすことが困難になってしまいます。
原因はまだはっきりとは分かっていませんが、もともとの性格や、今直面しているストレス状態や自律神経の障害などが発症の原因のひとつだと言われています。
全般性不安障害では不安を感じる範囲は非常に広く、日常に起きる生活のすべてになります。家庭、会社、学校、近所づきあいをはじめ、地震などの天災、海外での戦争など、自分に関係するものだけに限らず、あらゆるものが不安を覚える対象になります。全くあり得ないようなことを心配しているのならば周りも病気と思うでしょうが、不安が日常生活に散らばっていることから、心配性、神経質、と思う方も多くいます。そういった症状が原因で日常生活に支障が現れたら受診をお勧めします。
治療としては薬物療法と精神療法の両方を併用することが多いです。
心配が続くような状況では、話を中心とした治療が困難な場合があります。そのため、薬物療法で不安を軽減したうえで精神療法や認知行動療法などの治療をします。
認知行動療法はある出来事や物事に対するとらえ方(認知)を見直して、症状の改善を目指す治療法です。薬物療法とともにそういった治療を継続することで症状の軽減を図ります。
症状が軽減すると治療や服薬がおろそかになりがちです。薬を減らしていくことも含め、医師と相談をしながら進めることが必要です。