広場恐怖症
広場恐怖症
広場恐怖とは、広く開かれた空間や、雑踏など人が多い空間などで、簡単にそこから抜け出すことができない場所に対する恐怖を感じることをいいます。
具体的には、家から離れること、お店、雑踏および公衆の場所に入ることに対して恐怖を感じます。この他、電車やバス、飛行機などで旅をすることに対して恐れを感じることも広場恐怖の一つです。そういった環境や場面を避けて生活しようと考え、公衆の場所や公共交通機関を避けたりするようになっていきます。このため、症状が顕著になると、家から出ることができずに引きこもることもあります。広場恐怖を引き起こす環境でパニック発作が出ることもあります。
広場恐怖は、簡単にそこから抜け出せない環境に対して恐怖を感じ、そういった場所や環境を避けるために、行動範囲を狭めてしまうことが主な症状です。
広場恐怖症は特定の人に限定される病気ではなく、だれにでも発症する可能性があります。明確な原因は不明ですが、生活の変化があった時やライフイベントなど、ストレスが強くかかった時に発症の可能性が高まると言われています。また、その人の生育状況や経験によっても異なるとも言われています。
治療としては薬物療法と精神療法の両方を併用することが多いです。
薬物療法では、その症状に合わせて抗うつ剤や抗不安薬を使うことがありますが、その方の症状の程度に合わせて医師と相談をして決めます。
また、同時に認知行動療法が有効とされています。認知行動療法とは、ある出来事に対する自分自身の認知(考え方や受け止め方)や行動の特徴を認識し、それを修正することで不安などを軽減していくという方法です。自分自身の傾向をとらえ、それを認識し、それらを変化させていくという感じ方、考え方へのアプローチを行います。薬物療法と比較すると時間はかかりますが、行動や考え方へのアプローチで症状の発現を軽減していくことが可能になります。
どちらの治療についても医師と相談をしながら経過を見ていくことが重要です。