パニック障害
パニック障害
パニック障害とは、突然激しい呼吸困難、動悸、めまいなどが起こる「パニック発作」と、発作に対する恐怖や不安が頭から離れなくなる「予期不安」の2つの症状がある状態のことです。また、80%以上の患者様には、発作が起こりそうな場所や状況を避ける「広場恐怖」を伴います。
症状が出るのが怖い、また出たらどうしよう、などの予期不安がさらなる不安を呼び、さらに困った症状を誘発してしまうことがあります。外出回数が減ったり、外出ができなくなって家に引きこもるようになってしまい、家庭や職場の理解が十分に得られずに、ゆううつな気持ちが強くなる「うつ病」の状態につながる可能性もあります。日常生活や社会生活が必要以上に制限されないように早期に治療されることをお勧めします。
パニック発作は、なんの前触れもなく突然、強い恐怖・不安とともに、下記のような激しい症状が起こります。発作は10分以内に症状がピークに達し、多くの場合は30分前後でおさまります。
パニック発作に加えて予期不安が伴うのが、パニック障害の特徴です。パニック発作を繰り返すことで、「また発作が起こるのではないか」と恐怖と不安が頭から離れなくなる症状です。
広場恐怖は、パニック発作が起きた場所や状況、発作が起こった時に助けを呼べなかったり逃げだしたりできない場所や状況を避けようとし、行動範囲を狭めてしまう症状です。
パニック障害の治療法は薬物療法と精神療法を中心に行います。
薬物療法は、お薬で症状を軽減、パニックを起こさないようにすること、不安感を軽減することを目的としています。お薬の治療はご本人の症状、状況、体質などで効果が変わります。そのため、通院を継続し医師と薬の効き目などの相談をしながら治療をします。副作用があるお薬もあるので、困った症状などが見られた時には医師に相談をするようにしましょう。
精神療法は、対話を通して不安を取り除き、予期不安や広場恐怖の症状を軽減する目的があります。自分自身の考え方を振り返ったり、自分でリラックスできる方法を探したりしながら、症状の軽減を図ります。
また、それらの治療法に加え、日常生活を整えることが回復の助けになります。
不安感が強い時には無理をせず、ご自身のペースで調整していくことが大切です。回復には一定程度の時間がかかりますので、医師と相談しながら症状の軽減を図っていく必要があります。