うつ病
うつ病
うつ病とは、気分が落ち込んだ状態が何週間もずっと続く病気です。なんとなく気分が落ち込んでいる、仕事や好きなこともやる気が起きないなど、こころの不調は誰もが経験するものです。このような「気分の落ち込み」と「うつ病」の違いを見分ける1つのポイントは「どのくらい長く気分の落ち込んだ状態が続いているのか?」ということです。数日で回復して、また以前のような状態に戻るならうつ病の可能性は低いのですが、数週間以上(一般的には2週間以上)続いているなら、うつ病の可能性があります。
うつ病は単に気分が落ち込むだけでなく、仕事に集中できない、家事ができない、人付き合いがこれまでのようにできないなど、患者様の日常生活に大きな支障をきたします。そして、患者様は思うようにできない自分を責め、さらにうつ病が悪化していくという悪循環に陥ってしまいます。
うつ病の症状はこころとからだ、両方に現れます。
うつ病は、大きな環境の変化や過度のストレスなどの様々なことが原因となります。例えば身近な人の死やリストラなどのつらい出来事だけではなく、結婚や出産といったうれしい出来事でもうつ病のきっかけになることがあります。
基本的に、薬物療法というお薬での治療になります。お薬は、患者様の症状、状況、体質によって効果が異なることがあります。そのため、通院を継続して医師と相談をしながら進めていくことが大切です。
うつ病の治療は一定程度の時間がかかります。服薬を開始して効果が現れるまでには2-4週間かかるといわれています。効果がないから、と薬をやめてしまったり、自分で飲む量を調整したりすると、薬が患者様に合っているのか、飲む量がちょうどいいのか、が判断できずに、治療の効果が分からなくなってしまいます。また、薬をはじめて当初は副作用がでることもあります。その症状は1-2週間で治まりますが、そういった症状が出た時には医師に報告、相談をしましょう。
お薬が合って症状が安定をしてくると「もう大丈夫なのではないか?」という気持ちが出現します。そのため、通院や服薬をやめてしまう方が多くいます。しかし、その時はまだ「お薬で症状が安定している」状態なので、服薬を継続する必要があります。焦らず、ゆっくりと治療を継続することが大切です。